JWG ガイド育成事業 for 「新しい東北」①

JWG情報

JWG運営会社・株式会社ノットワールドは、自社造成のツアー企画運営(Japan Wonder Travel)やガイド団体の運営(JapanWonderGuide)の実績を活かして、これまでに日本各地でのガイド育成やツアー造成等複数の事業に、観光庁や自治体との協業で数多く取り組んできました。

会社オフィスのある東京や京都での事業が中心と見られがちですが、実は全国で活動を展開しているのです!
(株)ノットワールドの地方での活動をぜひ皆様にも知っていただきたく、今回を皮切りに少しずつご紹介していきます。

復興庁「新しい東北」交流拡大モデル事業

2020年度の復興庁「新しい東北」交流拡大モデル事業では、三陸沿岸部と福島沿岸部の2つの事業に参画しました。

復興庁では、東北の外国人交流人口拡大に資する新たなビジネスモデルの構築を目的に、民間事業者による旅行商品の造成・販売等を支援する「『新しい東北』交流拡大モデル事業」に2016年度から取り組んでいます。

東日本大震災の被災地のために、インバウンド観光を通じて貢献したい。地元の通訳ガイドさんの活躍の場を増やしたい。そのような想いから、これまで培ってきたツアー造成・運営の経験に基づいて、ツアー造成とともにガイド育成事業のお手伝いをさせていただきました。

「新しい東北」交流モデル事業報告書
「新しい東北」交流モデル事業報告書

3.11伝承ロードと語り部

今回は、「新しい東北」交流拡大モデル事業のひとつ、東北の三陸沿岸部での事業についてご報告します。こちらは「3.11伝承ロード推進機構」様との協働事業です。

『3.11伝承ロード』とは、東日本大震災の教訓を学ぶため、震災伝承施設のネットワークを活用して、防災に関する様々な取り組みや事業を行う活動です。その目的は、これまでの防災に対する知識や意識を向上させるとともに、地域や国境を越えた多くの人々との交流を促進させ、災害に強い社会の形成と地域の活性化に貢献することです。

通訳案内士/通訳ガイドの皆さんは「語り部」という言葉を聞かれたことがあるかと思います。広義では、昔から語り伝えられる昔話、民話、神話、歴史などを現代に語り継いでいる人のことですが、特に被災地においては、災害の経験・知識を伝え、被害の記憶の風化を防ぎ、防災・減災の面においてもその教訓を伝え広げていく人を指します。

何十年に一度の間隔で津波被害が起こる地域だからこそ、三陸沿岸部には、地域で連綿と引き継がれてきた教訓や防災への備えがあります。

1896年に三陸沿岸部を襲った大津波
1896年に三陸沿岸部を襲った大津波

日本の外に目を転じても、最近では、今まで起こらなかったような大きな災害が世界各地で起こっています。日本の災害の経験や知識を伝える語り部は、世界各地で起こる災害から命を守るため、注目される存在です。

日本を訪れる外国人の訪問先や訪問目的は、年々多様化してきています。そのような状況下で、多くの外国人に三陸沿岸部を訪れてもらい、語り部ツアーに参加してもらうためには、より魅力的な商品(ツアー)造成とともに、語り部をサポートする通訳ガイドの役割が非常に重要です。

そのため、ノットワールドでは、ガイドスキルの向上と地元のガイドネットワークの構築を目的に、主に地元の通訳ガイドさんに向けたオンライン研修と実地研修を実施しました。8月に2回開催したオンライン研修(同内容)には、計約70名の方にご参加いただきました。その後、岩手県釜石市・宮城県南三陸町の2箇所で実地研修、さらに在日外国人をゲストに、モニターツアーでのガイド実践を行いました。

南三陸町での実地研修
南三陸町での実地研修

弊社の福島沿岸部被災地ツアーでも、いくつかの訪問地では地元の方や語り部さんにご案内していただき、ガイドさんに逐次通訳をお願いしています。多くのゲストから、災害を体験された方から直接お話を伺えることに対して、高い評価をいただいています。

語り部の大切さ

三陸沿岸部の事業を実施する前提として、「”日本語の語り部×通訳ガイド”による多言語対応ニーズが高い」というサーベイ結果がありました。その理由の多くは「日本語で聞いたほうが本人の熱量が伝わる」というものでした。この意味で、語り部と通訳ガイドの息の合わせ方は非常に重要で、通訳ガイドさんには、通常のガイディングとは違うやりがいも感じていただけると思います。語り部さんの良さを最大限に引き出すことは、その地域の価値を高め、地域の復興のみならず振興につなげるお手伝いができると考えています。

以下2本は、本事業で協業した「3.11伝承ロード推進機構」が製作された動画です。

▼Kataribe on the3.11 DENSHO ROADプロモーション動画【語り部編】

▼Kataribe on the3.11 DENSHO ROADプロモーション動画【参加者編】

三陸沿岸部の魅力

三陸沿岸部はどうしても被災地のイメージが強いですが、その魅力は絶大です!

豊かな自然とリアス海岸の息を呑む絶景、牡蠣・ウニ・ホタテなどの美味しい海の幸。地元の心温かい人々。でも、温かいだけでなく、古から幾度となく大地震や津波の災害に遭ってきたにも関わらず、海など自然と共生することを選んできた逞しくしなやかな(resilient)人々。私たちは、三陸沿岸部で人が生きていくうえで本当に大切なことに気付かされるでしょう。

インバウンド観光でSBNRの視点が重要視されている今、三陸沿岸部には外国人を惹きつけるコンテンツがたくさんあります。
※SBNRとは「Spritual But Not Religious」の略で、日本語では「宗教的ではないがスピリチュアル」という意味です。特定の宗教への信仰を持たないが、物質的な豊かさ以外の精神的な豊かさを求める信仰的スタンスを指します。

そうした魅力を海外に住む外国人に知っていただけるよう、本事業では2021年2月26日に、宮城県南三陸町を舞台としたオンラインツアーも実施しました。現地からの実況による語り部のお話とともに三陸の魅力をお伝えするプログラムで、アメリカを中心に約60名の方にご参加いただきました。お陰様で多くの参加者から高い評価をいただき、日本に来る機会があれば三陸沿岸部に行ってみたい!というお声もたくさんいただきました。

三陸のリアス海岸の絶景
三陸のリアス海岸の絶景
南三陸町の語り部による実況中継
南三陸町の語り部による実況中継

より多くの外国人に認知され、三陸沿岸部が日本でのマストのdestinationに挙げられるように、ノットワールドでは地元ガイドとのネットワークを広げて、その魅力を存分に伝えていきたいと思っています。

東北地域の通訳ガイドの皆様、ぜひJapanWonderGuideの仲間になって、一緒に三陸沿岸部を盛り上げていきましょう!

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