通訳ガイドのお仕事の中には、「ホテルから新幹線に乗るまでをサポートしてほしい」というご依頼もあります。
日本人からすると「わざわざ、そんな」「タクシーで駅まで行ったらすぐなのに…」という思いを抱きがちです。
でも、遠い異国の地に来て、言葉も通じない日本では、そうしたサポートも求められます。
そして、多くの日本人からすれば大した額でも、富裕層の方からすれば大した金額ではなく、こちらの物差しで計ってはダメだな、ということを実感します。
1.時間を確認し余裕を持って動く
当たり前ですが、時間に余裕を持って動きましょう。
集合時間に多少ゲストは遅れてくるかもしれません。あるいは早く来るかもしれません。
余裕をもって集合時間を設定しておくとともに、余裕をもって集合場所に向かいましょう。
駅に20分~30分前につくくらいのスケジュールを立てておくと安心です。
ゲスト名を書いたプレートを掲げ、わかりやすい待ち合わせ場所を設定しておくことも大事なポイントです。
ホテル待ち合わせであれば、何階が待ち合わせ場所としてわかりやすいか、具体的に指示しましょう。
大きなホテルでは、デスクが1階と28階の両方に会ったりするため、時にすれ違います。
事前に確認しておくこと
- ゲスト名
- 出発地・目的地
- 出発時間・到着時間
- チケットの有無
- ホテルから駅までの移動手段・導線
- 具体的な待ち合わせ場所
2.待ち時間を有意義に過ごす
余裕をもって集合時間を設定した結果、思いのほか早く駅に到着してしまうことがあります。
駅について、「このホームで何号車の何番席だから、じゃ!」では寂しすぎます。
待ち時間をいかに楽しんでもらえるかが腕の見せ所です。
落ち着いてゲストにおすすめの提案をしましょう。
「○○分くらい時間あるけど、何がしたい?」
「私のおすすめは△個あって、一つ目は・・・」
お見送りの際、入場券を買って中に入ってサポートしてあげるのは大前提です。
また荷物の量をみて、エスカレーターがいいか、エレベーターがいいかは適宜判断して動きましょう。
待ち時間にできる事
- 駅弁やお土産等のショッピング
- 新幹線との記念写真撮影(最前列・最後列が特にいい写真が撮れます)
- 目的地での訪問先のアドバイス
- 新幹線に関するうん蓄披露
- 新幹線の乗車時間を楽しんでもらうための伏線情報(次項へ)
3.新幹線の時間を楽しんでもらう
待ち時間を有意義に過ごしてもらう中でも、
新幹線の時間を安心して楽しんでもらえるアドバイスはゲストに喜ばれます。
晴れた日の東海道新幹線の王道は、「富士山を見る事」です。
上り列車でも、下り列車でも、富士山側はE席(グリーン車はD席)!
下りなら東京駅を発車して45分前後に、上りなら名古屋駅を発車して50分前後に、
約4-5分富士山を見ることができます。
ちなみに京都駅を出発だと90分前後です。
晴れた日の東海道線を除くと、
日本人は駅弁を食べながら移動するんだという楽しみ方の話や、
降りる時間を再度伝えておくと安心して乗車いただけます。
新幹線の時間を楽しんでもらうために事前にできる事
- 降りる際に慌てることのないよう、到着時間を改めて伝える
- 早朝・お昼時・夕飯時等はおススメの駅弁を紹介し、日本人の新幹線の楽しみ方を伝える
- 東海道新幹線で移動する場合富士山が見える側の席を確保し、見える時間を教える
- 席が空いていれば、既に取られている席の変更を手伝ってあげるのも喜ばれます
始発の駅であれば、お席までご案内してお別れ。
途中乗車であれば、入口でお見送りしてお別れします。
日本語が不安なゲストには、
日本語と相手の言語で「○○で降ります」というメッセージを持たせてあげたりもしました。
お見送りは30分~1時間程度の短い時間ではありますが、
是非その時間も楽しんでもらい、素敵な日本を持ち帰ってもらいましょう。
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