誰もが楽しめる旅行を目指す。ユニバーサルツーリズムとは?

通訳案内士/ガイド

誰もが旅行を楽しめる世の中へ―「もし、自分が車椅子に乗っていたら、旅行中どんなことが不便だろうか?」「もし、日本語が分からなかったら、自分は目的地にたどり着けるだろうか」
ほんの少しの他者への思いやりと想像力で、年齢や障がい、言語レベルなどに関係なく、すべての人が旅行を楽しむことが出来るようになります。
今回は、誰もが楽しめる旅行を目指す、ユニバーサルツーリズムについて書いていきます。

ユニバーサルツーリズムとは?

ユニバーサルツーリズムという言葉をご存知ですか?
ユニバーサルツーリズムとは、すべての人が楽しめる旅行のことです。
英語では、Accessible tourismと言います。
高齢者や身体が不自由な方、妊婦、乳幼児を連れた家族、知的障がい者、精神障がい者や視覚・聴覚障がい者など、なかなかスムーズに旅行をすることが難しい方が対象となります。
ユニバーサルツーリズムの取り組みを一切行っていない場合、上記の方々にとって不便なことは多いでしょう。例えば、訪れた観光施設で、バリアフリー化が不十分だったら、思うように観光を楽しめない、というように。
それぞれが行きたい場所に、誰もが行けるようにする。勇気や自信がなくて、旅行に行きづらかった人でも、旅行に出かけ、楽しい思い出をつくれる。
日常生活において困難を抱えている方々でも、安心して旅行ができるよう整えることが、ユニバーサルツーリズムの取り組みです。

日本人の3人に1人が対象者

ユニバーサルツーリズムを知っておくことがなぜ必要なのかといえば、まず日本人の1/3が、ユニバーサルツーリズムの対象者であるということがいえます。
高齢化社会が進む日本において、他人事ではおけない状況になっています。
今後より多くの観光客を集めるためにも、有効な取り組みなのです。

訪日観光客も対象

多くの訪日観光客は、言語の壁にぶつかります。東京や京都など、主要の観光地では多言語対応が少しずつ進められていますが、残念ながら地方ではあまり進んでいません。
そのため、日本語が分からない訪日観光客も、ユニバーサルツーリズムの対象となります。
訪日観光客を呼びたくても、情報が少ないために不便な地域は、未だ多くあります。
観光情報の英語での発信、多言語対応のコンシェルジュサービス、ホテルや交通機関の手配を含んだ旅行パッケージ、ガイド付きのツアーなどは、旅行者の不安やストレスを軽減し、訪日観光客が安心して旅行を楽しめるようにする対策の一部です。
また、日本語が分からず、さらに身体に不自由がある場合などは、更に不安を感じ、日本旅行のハードルが高く感じられるでしょう。しかしそのハードルを下げていくことができれば、より多くの人が日本旅行を楽しむことができるのです。

ユニバーサルツーリズムの普及で期待できること

現在、国内のユニバーサルツーリズムの普及はというと、十分とはいえません。今後観光を盛り上げ、地域に貢献していくために、ユニバーサルツーリズムを整えることは不可欠です。
多くの人の旅行に対する不安を解消し、心身のストレスを減らすことで、観光客を増やす。
誰もが旅行を自由に楽しむことができるようになれば、より多くの地域の活性化が期待できます。

ユニバーサルツーリズムの取り組み

前提として、実際にどんな配慮が必要か、ニーズを汲むことが最優先です。
一人一人、旅行中不安に思うことは違います。
個人に合った正確な情報を提供し、様々なニーズに応えられるよう整えていく必要があります。

実際に観光に携わる企業で、どのような取り組みがなされているのかというと、以下のような例が挙げられます。

  • コンシェルジュサービス
  • 情報発信
  • ユニバーサルツーリズム対象ツアー/バリアフリーツアーの販売

バリアフリーの宿泊施設や移動手段、観光施設やトイレなどといった情報の十分な発信や、対応施設の手配、ツアー商品の販売などがあります。
また、困ったときに問い合わせできる窓口を設置できれば、不安の軽減につながり、旅行がしやすくなります。
近年では、リハビリや療養を兼ねた観光など、様々な形のツアーも増えています。

「みんな」や「すべての人」という言葉をよく耳にしますが、何の不自由なく過ごせてしまう人々が、スタンダードになってはいませんか?
観光の今後を考えるとき、文字通りすべての人が楽しむことができる環境を整え、ユニバーサルツーリズムを日本に普及させることが、今後の観光のあるべき姿のひとつなのではないでしょうか。

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