福島県の3つのエリアについて
福島県は、東北地方の一番南に位置し、東北の玄関口と言われています。
東京からは、約200km圏内の距離で、北海道、岩手県に次いで3番目の広さを持つ県です。
面積が大きいだけでなく、南北に連なる阿武隈高地と奥羽山脈によって、大きく「会津」、「中通り」、「浜通り」に分けられているため、それぞれの地域で気候や文化が異なります。
この記事では、そんな福島の3つの地域の違いとオススメのスポットについてご紹介していきます!
【この記事を書いているのは…】
エダ アサヒ
—————–
福島県中通り出身。好きな福島フードは、とら食堂のチャーシュー麵と木乃幡の凍天。
雪景色と侍の文化 会津地方
会津地方は、福島県の西側のエリアです。
日本海側の気候のため、夏は山地は涼しくなりますが、盆地ではむし暑くなります。
また、冬は気温が低くなり、沢山雪が降ることで有名です。
特に日本有数の豪雪地帯である奥会津の桧枝岐村では、2メートル前後の雪が積もることも。
冬の会津地方では、美しい雪景色が見れますが、交通網が乱れる恐れがあります。
訪れる際は、防寒に優れた服装や、滑りにくい靴を忘れずに準備するようにしましょう。
また、会津地方は会津藩のあった場所で、会津武家屋敷や会津藩校日新館など、町のいたるところに侍の文化を感じられる観光スポットがあります。
2013年の大河ドラマ『八重の桜』は、会津地方の会津若松市が舞台になっています。
名湯と豊富な果物 中通り
中通り地方は、県中央部の奥羽山脈と阿武隈山地にはさまれたエリアです。
日本海側と太平洋側の気候の中間の気候で、盆地では夏はむし暑く、冬は冷たい風が吹き、雪も降ります。
中通りには奥州三名湯のひとつである福島市の飯坂温泉や、安達太良山の麓にある二本松市の岳温泉など人気の温泉があり、昨年12月発表の「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」では、中通りの石川町にある八幡屋が総合1位に輝きました。
また、福島県はフルーツ王国とも呼ばれ、中通りの福島市にはフルーツラインと呼ばれる道路があります。ここには沢山の果物畑があり、観光果樹園や直売所が並びます。そして、6月中旬からさくらんぼの収穫や直売が始まり、桃や梨など約半年に渡ってくだものの旬が続きます。
また、中通りはアクセスがよく、東北自動車道や東北新幹線が通っています。
中通りの福島市も2020年の連続テレビ小説『エール』の舞台となっています。
美しい海岸と海の幸 浜通り
浜通り地方は、県の東側、太平洋に面したエリアです。
太平洋側の気候で、夏は海に面しているためそれほど気温が上がりませんが、冬は県内で一番暖かく雪があまり降りません。梅雨の時期と秋は雨が多くなります。
福島県の海は、暖流と寒流が交じる潮目の海のため、美味しい魚が取れます。
浜通りのいわき市で水揚げされる「常磐もの※1」の美味しさは、世界最大級の取扱規模である築地市場で水産関係者の99%※2に認められたほどです。
※1 常磐ものとは、いわきに水揚げされる魚介類だけでなく、水産加工品やそれらに携わる水産関係者を指します。
※2 出典「平成27年水産関係者調査」(株式会社電通)
いわき市にある塩屋埼灯台は実際に上ることができる灯台で、そこから綺麗な海を眺めることができます。また、東日本大震災後の復興事業で造られた防潮堤上をサイクリングすることができ、防潮堤の上だからこそ見られる景色が好評です。
震災で甚大な津波被害を受けた浜通りですが、新たな施設、設備が次々に完成し、着々と前に進んでいます。
各エリアの観光スポット
会津地方
1.大内宿
大内宿は、江戸時代に宿場町として栄えました。
茅葺屋根の建物は、店舗兼住居となっており、江戸時代から変わらず街道沿いに建ち並んでいます。
国選定重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。
2.鶴ヶ城
福島県会津若松市のシンボル、鶴ヶ城は、1868年の戊辰戦争において、約1カ月のあいだ続いた攻防戦に耐えたことにより「難攻不落の名城」として有名です。
日本で唯一の赤瓦をまとった天守閣もあります。
現在、天守閣は郷土博物館となっており、会津の多彩な歴史資料が展示されています。
また、城内には、約1,000本の桜の木が植えられており、会津随一の桜の名所となっています。
3.天鏡閣
明治後期に建てられた皇族別邸で、国の重要文化財に指定されています。
天鏡閣という名前は、大正天皇によって命名されました。
明治時代にルネッサンス様式で作られた天鏡閣の食堂、客間、球戯室などを見学することができます。館内では明治のドレスの試着体験もできますよ。
2020年の映画『約束のネバーランド』の撮影もこの天鏡閣で行われました。
中通り
4.土湯温泉
土湯温泉の泉質は、自己源泉を保有している旅館や宿のものを含めると10種類以上もあります。
効果としては、神経痛や冷え性、疲労回復などがあげられます。
また、土湯温泉には3つの足湯があり、全て無料で利用することができます。
5.フルーティア福島
福島産フルーツを使ったスイーツとドリンクが楽しめるカフェのような列車です。
片道約2時間の磐越西線の郡山―喜多方間と東北本線の郡山―仙台間で土・日曜、祝日だけ運行しています。
移動中に沿線の景色を眺めながら、スイーツも堪能でき、思い出に残る乗車体験ができますね。
6.リカちゃんキャッスル
リカちゃん人形を生産する日本で唯一の工場が中通りにあります。
工場ですが、お城のような可愛らしい外観をしていて目を引きます。
工場見学はもちろん、リカちゃんとお揃いのドレスの試着が出来たり、自分でコーディネートした自分だけのオリジナルのリカちゃん人形を作るなど貴重な体験ができます。
7.エビスサーキット
二本松市にあるサーキット場で、ドリフト用や二輪車用など9つのコースがあります。
実は、ドリフトの聖地として親しまれていて、外国人観光客も多く訪れる人気のスポットです。
エビスサーキットの隣の中古車の販売店で、ドリフトカーを買って、そのままエビスサーキットで走ることも出来ます。
また、後部座席に乗ってドリフト体験ができるドリフトタクシーやママチャリでコースを走れるママチャリ耐久レースなど、ドライバー以外にも楽しめるイベントも開催されています。
浜通り
8.いわき・ら・ら・ミュウ
一見、魚介市場に見えますが、市場だけでなく、レストランや子供の遊び場などがある、いわき市の観光物産センターです。
購入した新鮮な魚介を焼いて、すぐに食べることが出来るバーベキューコーナーもあります。
常磐ものを堪能するにはおすすめの場所です。
アクアマリンふくしまの近くなので、水族館の後に寄ってみるのはいかがでしょうか。
9.相馬野馬追
相馬野馬追は、相馬地方で3日間にわたって行われる1000年以上続く祭典で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
相馬野馬追の本祭は2日目になります。400騎あまりの騎馬武者が、神輿を擁し市中を進軍する「お行列」、土ぼこりが舞う中を駆け抜ける「甲冑競馬」、御神旗を騎馬武者が奪いあう「神旗争奪戦」が行われ、多くの見物客でにぎわいます。
10.波立(はったち)海岸
弁天島と海岸を繋ぐ朱塗りの橋がある、初日の出スポットとして人気の海岸です。
東日本大震災の津波で海岸部は被害を受けましたが、この弁天島の鳥居は流されませんでした。
海岸が玉砂利とは珍しいですが、その小石を持ち帰ると目の病気になるという言い伝えがあります。
11.東日本大震災・原子力災害伝承館
東日本大震災・原子力災害伝承館では、展示物と映像から震災前の日常、地震と津波の発生、それに続く原子力発電所事故を事故前・事故発生時・事故直後の経過を時系列でたどることができます。
また展示に加えて、震災当時の状況や避難の経験について語る語り部講話や、津波や原子力災害で被災した施設や復興の状況を実際に間近で見れるフィールドワークなど、様々なプログラムを体験することもできます。
福島沿岸部ツアー
東日本大震災や福島第一原発事故の複合災害について、より深く学びたいという方は、現地で訪問されているツアー等に参加してみるとよいでしょう。
被災地に自分で行っても当時何が起こった場所なのかよく分かりませんが、ガイドがいることでより理解が進むはずです。
自身の目で現地を見て、地元の人から直接話を聴くことによって福島の今と未来を考えるだけでなく、自身の普段の生活や将来のこと、地域や社会の将来のことを考えるきっかけになるでしょう。
JapanWonderTravel.comでも2018年より福島沿岸部訪問ツアーを訪日外国人向けに催行してきました。
このツアーの目的は「今」のリアルな福島をみる、そして、未来への希望を見つけることです。
地元の方との交流を通して、震災が発生した当時のこと、今の状況、そして福島の未来に焦点を当てていきます。
コロナ禍において不定期でツアーやオンラインツアー等も実施しているので、是非サイトも覗いてみてください。
JapanWonderTravel.com(英語ページ)
各エリアへのアクセス
以上、福島県の3つのエリアごとの違いと観光スポットのご紹介でした。
いかがだったでしょうか。みなさんの気になる観光スポットはありましたか?
ご紹介したのはほんの一部ですので、ぜひ他の福島の観光スポットについても知ってもらい、実際に訪れていただけたらと思います!
コメント