「ガイドの仕事は旅行会社からもらうもの」
昔はそれが仕事を得るための最も一般な考え方でした。
しかし、IT技術の進歩により環境は変わってきています。
これからのガイドは、より高報酬を得るためにも、また、自分が好きな場所にゲストをお連れするためにも、直接ゲストから予約を受け付けていく事が出来ると活動の幅が広がります。
ここでは、ガイドとして直接ゲストから予約を受け付ける方法をご紹介します。
大きく分けると2つのステップに分けることが出来ます。
1.予約を受け付けるサイトをつくる
2.予約を受け付けるサイトまでの導線をつくる
予約を受け付けるサイトをつくるところまでで止まってしまう方も多いですが、ただサイトをつくっただけでは、勝手にゲストが来てくれるわけではありません。また、SNS等でインフルエンサーとなり、メールで予約を受け付けるという場合に予約サイトがなくても成り立つ場合もありますが、ここでは、両方を進める前提でご紹介します。
1.予約を受け付けるサイトをつくる
予約を受け付けるサイトをつくる方法は、OTA(Online Travel Agent)上にページを持つ方法と自分でホームページを構築する方法の2パターンがあります。それぞれメリットやデメリットもあるので、ご自身に合った形を選びましょう。
手軽に始めやすいのはOTA、自分のファンをどんどん増やしていきたいなら自分でサイトを作るというのがおススメです。
OTA(Online Travel Agent)上にページを持つ方法
- OTAがゲストを集客してくれる
- ホームページをつくるスキル等が不要
- 手数料が高い(20-25%)
- 審査があり、商品掲載が出来ない場合もある
手軽に始められるのは、OTAに自分のツアーを掲載することです。最近では、旅行者もインターネットで自分でツアーを探し予約することが増えています。検索したときに上位に表示されやすいサイトに自分の体験を載せることでゲストに自分の体験を知ってもらうことが出来ます。
OTAは、カレンダーや決済機能を持っているので、特に専門知識等は不要で商品の掲載をインターネット上にすることが出来ます。
主なサイトとしては、下記があります。
- 主な体験型OTA
- Airbnb (現在、新規の体験ホスト登録を停止中)
- Viator
- GetYourGuide
- 主なガイドマッチングサイト
- Tours by locals
- GoWithGuide
自分でホームページを構築する方法
- デザイン等も自由にカスタマイズできる
- 手数料が安い(決済手数料は4%程度)
- ホームページをつくるスキルが必要
- サーバー代等月額固定費用が掛かる(数百円・千円程度~)
- 導線を作らないと全く反応がない
「ガイドとして食べて行こう」と思うのでしたら、名刺代わりにホームページを自分で持つのも一つです。どんなガイドかを知ってもらうことで、より自分とあったゲストと出逢える可能性も高まります。
最初立ち上がるまでは大変ですが、自分をブランディングしていく事で、より高収入に繋げていく事も出来ますし、自分らしさを発信していく事が可能です。
予約を受け付けるためには、「決済機能」と「カレンダー機能」はホームページに持っておくことをおススメします。
もちろん、両方の機能がなくても、メールベースで日程を調整したり、お支払いは当日頂くということも可能ですが、NO SHOW(とりっぱぐれる)リスクや日程調整の手間を考えると決済とカレンダー機能は持っておきたいところです。
「ホームページをつくるスキルが必要」と書きましたが、最近では様々なサービスがあるので、プログラミング等の難しいスキルがなくてもホームページの構築は可能です。
初心者でもWordpressとJTB BÓKUNを組み合わせれば簡単に自分のホームページを持つことが出来ます。(こちらの投稿を参照ください)
2.予約を受け付けるサイトまでの導線をつくる
予約してもらえるサイトが出来たら、後は、そのページにゲストに訪れてもらう方法を考える必要があります。
OTAは、ショッピングモールに出店するイメージ、自作のホームページは、商店を街中に出店するイメージです。
もちろんショッピングモールに出店すれば、ショッピングモール自体が集客をしてくれますが、放置していて人気店になるわけではないですし、街中に出店した場合は、より店の存在をアピールしないとお客様に来てもらうことはできません。
- 自分でホームページの認知を拡大する
- SNSに力を入れる
- 名刺にサイトURL・QRコード等を載せる/渡す人にPRする
- 被リンクを獲得する
- SEO対策を行う(サイト内のコンテンツを充実させていく)
- 国内外のエージェント等に営業する
- OTA内での認知を拡大する
- 写真やタイトルを工夫する
- 口コミを蓄積する
自分のホームページの認知を拡大する方法について、少々補足します。
SNSに力を入れる
一番始めやすく効果的な手段はSNSに力を入れることです。
特にInstagramは、ビジュアル中心なので、世界中にファンを広げやすいですし、世界観を伝えるためにもホームページを補完してくれる存在です。
YouTubeでファンを獲得していく事も一つの道です。
名刺にサイトURL・QRコード等を載せる/渡す人にPRする
地道ではありますが、確実に広げていく手段はリアルな接点です。
名刺にサイトURL・QRコード等を載せるとともに、しっかり渡す人にPRしましょう。
ゲストに名刺を渡すときに、「もし興味があったら覗いてね」「友達で日本に来る人がいたら是非紹介して欲しい」と直接的にコミュニケーションしていく事も大事な広報活動です。
被リンクを獲得する
サイトへの訪問者を増やすためには、インターネット上でも導線を増やしていく事が求められます。
例えば、所属しているガイド団体や観光協会が海外のゲスト向けにホームページを持っていたりするなら、そのサイトからリンクを貼ってもらうというのも一つです。
ガイド同士で、「私のおすすめのガイド」というページを作って、相互にリンクを貼り合うというのも一つの手段になります。ガイド仲間は競合でもありますが、ゲストから見たときに相性が合う人と出会うことも大事なので、仲間を紹介してあげることで、結果として皆がwin-winになるケースもあります。
SEO対策を行う(サイト内のコンテンツを充実させていく)
SEO対策とは、検索エンジン最適化のことで、例えばGoogle検索でいかに上位に表示されるかを対策していく事ですが、方法としてサイト内のコンテンツを充実させていく事が考えられます。
例えば、建築が好きであれば、建築の案内に関する記事を沢山サイト内に投稿していきます。
すると、「東京 建築 ガイド(tokyo architecture guide)」と検索したときにGoogleで上位に表示されるようになってきます。長期的に考えるとブランディング的にもとても効果的です。
国内外のエージェント等に営業する
自分のホームページが出来たら、自分から国内外のエージェントに営業をするという方法もあります。多くのエージェントがホームページを持っているので、自分と相性がよさそうなエージェントに対してメールで自分のウェブサイトを紹介すると、いずれ仕事の依頼に繋がるかもしれません。
ガイドという職業が確立していくためには、価格の決定権をガイドが持っていく事も求められてきます。
「仕事は旅行会社から貰うもの」という固定概念にとらわれず、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考:ガイドの方が自分で集客をしている事例
百聞は一見にしかず、ということで、ガイドの方のサイトを紹介していきます。
Behind the Scenery:全国通訳案内士曽我悠さんのサイト
<JWGコメント>
- ジンドゥーというCMSを使って作っていそう
- 予約機能はないが、問い合わせベースでゲストとやり取りをされている
- 英語メインではあるが、日本語でもプロフィールを見ていただけるようなっている
(国内からの講演依頼等を受け付けるためには有効な方法) - Instagramを継続して取り組むことで建築好きという自身のブランド・導線も確立されている
Volcano Life Journey:桜島ミュージアム押川蓮斗さんのサイト
<JWGコメント>
- まさにwordpress+JTB BÓKUNで構築されたサイト
- 各ページを日本語+英語表記にすることで、日本人・外国人双方に対応している
- Instagramは、2024年5月1日現在で20フォロワーということで、誕生ほやほや(今後が楽しみ)