通訳ガイドにも活かせる心理学テクニック12選

ホスピタリティ

心理学のテクニックはマーケティングや営業にも活用されることがありますが、通訳ガイド・ローカルガイドにももちろん活用できます。

ここでは、ゲスト満足度向上や案件獲得等に活かしていくことが出来る、通訳ガイドとして役立つ、いくつかの心理学のテクニック・法則をご紹介します。

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、人と人がコミュニケーションを図る際、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で、相手に影響を与えるという心理学の法則で、メラビアン博士により発表されたものです。

知識を言語で伝えることももちろん大事ですが、表情やボディランゲージ、声のトーンも大事な要素であることを忘れてはいけません。

ピーク・エンドの法則

体験の中で、ピークとエンドの印象で、その体験に対する印象は決まるというものです。

「終わりよければ全てよし」ということわざがありますが、「終わりよければ全てよし」とは、シェイクスピスピアによる戯曲でもあり、万国共通なようです。

最後を盛り上げることと、ピークをつくることを意識するだけで、ゲストの印象をよくすることが出来ます。

「あなたにだけなんだけど、、、」みたいに、特別感を出してピークを演出するのも一つです。

マジカルナンバー

人が短期的に覚えられる数は大体4±1である、というものです。

例えば日本語を教えてあげるとして、次から次に日本語を教えてあげようとする人を見かけます。ただ、10個もの日本語を伝えてもゲストは覚えられません。欲張っても、何も記憶に残りません。

今日はこの3つのポイントだけ押さえてね・・・と絞ってあげることでゲストの記憶に残るガイディングに繋がります。

ミラーリング

自分と似たものに対して親近感を抱きやすいという心理を利用し、相手の行動を鏡に映したかのようにまねをする手法です。

ゲストが頭に手をやったら自分も頭に手をやる、ゲストが飲み物を飲むタイミングで自分も飲む、というように同じ行動をとることでゲストとの距離を縮めることが出来るかもです。

好意の返報性

相手から好意を受け取った場合、同等の好意を返したくなるという人間心理です。

多くのガイドさんは当たり前のようにやってそうですが、好かれるためには、まず自分が好きになる、ということがとても大事になってきます。

好きになれば、相手のことを知りたいと思うもの。もっと相手のことを知りたいと思う気持ちを持てば相手も自分に興味を持ってくれることに繋がります。

両面提示の法則

物事の良い面と悪い面を同時に伝えることで、説得力を増すことができ信頼構築に繋がるという法則です。

おすすめを聞かれた際などに、いいところだけを伝えるのではなく、懸念点も伝える、みたいなシーンでも活用できるかもしれません。

フレーミング効果

伝え方を変えることで顧客に与えるイメージを変化させることが出来るという効果です。

「明日は60%雨が降る」というか「明日は40%晴か曇り」というかで相手に与える印象は変わります。なるべくポジティブな表現を使うことで楽しい時間を届けることができます。

日頃からポジティブな表現を心がけましょう。

ハロー効果

ハロー効果とは、HelloではなくHalo(後光)のことで、認知バイアスとよばれます。

一部の印象に引きずられて、全体の評価をしてしまうというものです。 「皇室御用達」みたいに紹介するのも、その商品の評価を高めて伝える一つの方法と言えるかもしれません。また、身だしなみを整えることで印象を変えるのもこの効果の一環と言えるかもしれません。

ウィンザー効果

利害関係のない第三者の情報が高い信ぴょう性を得やすいという心理効果です。

対ゲストというより、対エージェントとかに自己PRする際に、ゲストの声・口コミ等があると、信頼性があがることに繋がります。
また、ガイドネットワークが広がることで、観光地でガイド仲間に会った際に、「この人がガイドであなたラッキーね!」的なコメントがあるとより信頼感が高まるのもウィンザー効果の一種かもしれません。

単純接触効果

何度も接触することで好感度が高まっていく行動心理です。

ゲストと、事前に適度なコンタクトを取ることで、会った時には信頼関係を構築することが出来たり、エージェントとの関係構築にも活用できます。

Airbnbの体験で、事前にコミュニケーションをすることで当日は距離を詰めることが出来るのもこの効果と言えそうです。ただし、悪い印象を与えると逆効果なので要注意です。

バンドワゴン効果

人間が意思決定する際は、周囲の意見に基づいて意思決定するというものです。

食べたいもの、行きたい場所等を決める際、自分の意見の自信を持てないゲストに対し「○○な人は△△を選ぶ」「○○さんや△△さんもそこに行った」と言って、決断を促すことができます。

ドアインザフェイス

相手に過大な要求を断らせてから、本当に受け入れてほしい要求を提示することで、受け入れてもらいやすくするテクニックです。

ゲストのニーズに応えられない場合に、こちらも相手に現実的ではない提案をしたうえで、現実的な着地点を探すということも考えられます。


いかがでしたでしょうか。

ゲストの心の内は察したくても、察しきれないものではあります。

しかし、こうした心理効果・テクニックを知っておくことで、少しでもよりゲストに満足してもらえるガイディングに繋げられるはずです。

他に、どんな心理法則があるか、是非コメント等でお待ちしております。

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