【チームビルディング①】自分の名前を覚えてもらう

通訳ガイドスキルアップ

ツアーの成否を分けるチームビルディングで抑えておくポイントについて、
それぞれ深堀していきたいと思います。

「名前を覚えてもらう。」

どれくらい意識したことがありますでしょうか。
「名前を覚えるか、覚えないかは相手次第」
そう思っていないでしょうか。

「通訳ガイドさん!」って認識されるか、
例えば「Ken」って認識されるかで、
ゲストとの距離感は大きく変わります。

ちょっとした一工夫で大きく覚えて貰いやすさは変わるので、
何も意識していない方は、是非ひと手間加えましょう。

前提①:ゲストにとって日本人の名前は憶えづらい

まず、認識しておく必要があるのは、
外国人の名前というのはとても覚えづらいということです。

対日本人であれば、「たつやです」「ゆかです」「まいです」って言って、
比較的覚えてもらえるかもしれません。

でも世界史やグローバルなスポーツを思い出してみてください。

「グレゴリウス7世が・・・」
「GKのナウエル・グズマンってすごいよね・・・」

数分後、下手すりゃ、聞いた直後にもう再現できない状況です。

前提②:覚えて貰うのは個人として呼びかけてもらうため

名前を憶えてもらうのは何のためか考えたことありますか。

役所で、個人名を伝えて、間違いない書類をもらうのであれば、
一言一句正確な名前が必要です。

でも、ツアーで名前を覚えて貰うのは、
あくまで個人として認識してもらい呼びかけて貰うためのものです。

名前を覚えて貰う目的を認識しておく必要があります。

1.ニックネームを伝える

Hi, My name is Taro Yamada. Nice to meet you!

日本人が中学校の時に習って、馴染んだ、初めましてのあいさつです。

結構、多くの日本人が外国人との挨拶でフルネームを伝えます。
そして、日本人同士の自己紹介だと名字を伝える人が多いように感じます。

でも、普段、その名前で呼ばれていない人が本当に多い!

まず日頃フルネームで呼ばれている人なんてごく稀ですし、
苗字を聞いた割に、友達からは名前・あだ名で呼ばれている人も多いです。

呼んでもらうための自己紹介なので、呼ばれたい名前を伝えましょう。
覚えてもらうための自己紹介なので、覚えてもらいやすい名前を伝えましょう。

アジアの国の人の中には、English nameを持っている人も結構います。

めっちゃアジアな名前なのに、
エリザベス、とか、
ティファニー、とか、
セバスチャン、とか、ざらです。

さすがに「English nameは恥ずかしい」という日本人も多いかと思いますが、
是非、シンプルなニックネームを伝えてあげるのが一番だと思います。

2.外国人が馴染んでいる言葉と紐づける

ニックネームを考えるうえでも大事なポイントとしては、
日本人の名前は憶えづらいので、外国人が馴染んでいる言葉と紐づけることです。

Yosshiだよ、ほらあのマリオに出てくるYosshiと一緒だよ

Kyokoだよ、Kyotoじゃないよ

忘れちゃったら、外国人馴染みの言葉で呼んでねというのも一つです。

Toshiだよ、Sushiじゃないよ。でも、忘れちゃったらSushiって呼んでね!

同じように、英語での意味を伝えて、英語の意味で呼びかけてもらう人もいます。
呼びかけてもらわないにしても意味を伝えるのは印象に残す一つの手段です。

Yuri(百合)だよ。Lilyっていう意味だから、Lilyって呼んでね

Yoshiko(美子)だよ。Beautiful childだよ。
Beautifulかの判断は任せるけど^^;

Noriだよ。Seaweedっていう意味だよ。
忘れちゃったらMr. Seaweedって呼んでくれ!

結構街を歩いていて海苔を見かけたりするので、
そのたびに盛り上がっていました。

タツヤという名前の人が、
タッチ(Touch)というニックネームで呼んでもらうと共に、
笑いを取っているのは上級編ですが、とても参考になる自己紹介でした。

Hi My name is Tatsuya. Please call me Touch.
If you forget my name, please touch me, not hit me.
(タツヤって言います。タッチって呼んでね。
名前を忘れたらタッチしてください。叩かないでね!)

3.文字で見せる

なかなか覚えづらい名前を覚えて貰うには視覚で伝えるのも有効です。

日本人も外国人の名前覚える時、言われても発音できないけど、
スペルを見たら、あぁそういう事かって理解できて何となく発音できたりします。

外国人からした日本人の名前もそれと同じです。

名前を伝える時に言葉で伝えるだけでなく、文字で伝えると、
より相手に伝わって、呼んでもらえることにつながります。

Fumitoとかは言葉ではほぼ理解されませんが、
スペルを見せることで呼んでくれる人は10倍以上増えます。

4.何度も伝える

ここまでいっても、人の名前ってなかなか苦手な人は覚えづらいもの。

しかも、忘れてしまったとして、
再度聞くのは気が引けるものです。

チームビルディングとは少し離れてしまいますが、
こちらから何度も伝えるというのも一つです。

何度も伝えると言っても、改めて自己紹介をしろという話ではありません。

例えば、名前を書いた紙をぶら下げている人を見かけますが、
それも一つのいいアイディアだなと思います。

「あぁそうそう、こいつはKAZUだった!」
ゲストも思い出して、呼んでくれたりします。

よく、通訳案内士証をぶら下げてガイドしている方を街中で見かけますが、
個人的には勿体無いなと感じています。

名前は小さくて見えないし、
ゲスト・街の人、多くの人にそれが何か認識してもらえてないし、
下手すりゃかけている自分の自己満足になりかねないからです。

最初の自己紹介の時にLicensed guideだって見せるのは、
まだ信頼してもらうための一つのコミュニケーションかもしれませんが、
あの案内士証をぶら下げるくらいなら、
その上から名前を大きく書いたプレートを入れたほうがゲスト想いです。

あるいは、何かストーリーを説明するときに、
自分を登場人物として再度名前をさりげなく伝えるのも一つの方法です。

「私YUKIっていうんだけど、この間『Hello Yuki, Come on』って言われて行ってみたらさぁ…略」

他にも、日本語を教えてあげる流れの中で、
相手の名前を漢字で書いてあげる前に、自分の名前を書いてみせる、なんてのも
改めての自己紹介って感じで固くならずに、再度名前を伝える方法です。

私の名前はYUKIKOっていうんだけど、こう漢字で書くの

何度も聞いていれば自然に覚えてくれますし、呼んでくれるはずです。

さて、いかがだったでしょうか。

是非、自分の自己紹介を工夫して、
次の機会には相手に名前を読んでもらいましょう。

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