街人(ガイド)道 Vol.1：世界一周中に出会った地元ガイドがヒントに。私の目指すガイド像

街人（ガイド）道
JapanWonderGuideを運営する株式会社羅針盤の代表2人がお届けするシリーズです。日本の観光を盛り上げることに計り知れない情熱を持つ創業者2人が、実際にツアーの現場に立って綴った「街人道」。ガイドをする上で大切な心得や、エクセレントガイドを目指すヒントがぎゅっと詰まった内容をお送りします。

こんにちは、河野です。

ノットワールドでは、2015年に築地や砂町銀座商店街を中心とした食べ歩きツアーをスタートしました。都内から始まったツアーですが、2016年には京都にも展開、その後プライベートツアー等を日本全国で実施し、これまでに約4万人以上の外国人ゲストをご案内してきました。

ツアー事業をはじめた頃は、私もほぼ毎日外国人のご案内に携わっていました。
現在でも、時折現場でガイドをすることもあれば、ガイドさんに同行することもあります。
こういった経験の中で、他のガイドさんに教えたり、教えてもらったりしながらだんだん掴んできた外国人への通訳ガイドのコツについて、この街人道で書いていきたいと思います。

ちなみこの”街人”、ガイドをもじった造語で、前職の友人が考えてくれたものです。
すごく素敵な表現なので使わせてもらいました。

理想とするガイドの要素

さて、第1回目は、【私が目指す通訳ガイド像】について書いていきます。

ノットワールドを立ち上げる前、1年間の世界一周をしました。
世界一周中も、いろんな場所でツアーに参加し、有償無償含め、現地のガイドさんとは本当に色々なことがありました。

素敵なガイドさんを思い出す中で、一番印象に残っているのは、南アフリカのソウェトというアパルトヘイト時代の名残が残る地域のガイドさんです。
私の理想とするガイドさんは、彼かもしれないと考えたとき（写真のピンクのTシャツの方）、理想とするガイドの要素を考えてみました。

そして出た答えは、以下の3つの要素を持っている事です。

1.  案内する場所への愛情
2. ゲストに楽しんでもらおうという心意気
3. 人間としての魅力

1つずつ見ていきましょう。

1. 案内する場所への愛情

これはとても大事だと思います。
愛がある人間と愛がない人間だと、「話す言葉の重み」が変わってきます。
ガイドさんに同行しました際に、私が横から少し客観的に見ていると、ガイドさんの話を聞いているゲストはそれを簡単に見抜いてしまうように見えます。
会社の面接で、覚えてきた言葉をそのまま言っている就職活動中の学生のようですね。

また、愛があって好きなことは、自分からもどんどん調べて、知識が加わっていきます。
まさに”好きこそものの上手なれ”状態ですね。
ガイドしながら実際に自分も楽しんでしまうのです。
ソウェトの彼からは、“自分が住む地域への愛情”や、“そこで暮らす人々への愛情”がひしひしと感じられました。
これを感じられない通訳ガイドさんには、案内してほしくないと思います。

2. ゲストに楽しんでもらおうという心意気

2番目に大事なことは、ゲストに楽しんでもらいたいという心意気。この気持ちも非常に大切だと思います。
ゲストに楽しんでもらおうとするガイドさんは、とにかくゲストをよく見ています。相手が何を考えているのか、何を求めているのか、を会話やしぐさの中から探り、相手が口にする前にしてあげることができるのです。
素晴らしいガイドさんはみなさん、相手の予想を上回り、びっくりさせています。

“顧客満足”を目指す、と言いますが、お金をもらっているプロとして、顧客満足は当たり前。
顧客が“感動”してもらえるように、いつもこの気持ちは忘れないようにしたいものです。
この心意気がない人は、厳しいことを言うようですが、ガイドを今すぐ辞めた方がいいと思います。

3. 人間としての魅力

これはとても根本的な内容になってしまいました。
人間の魅力は、一朝一夕にできるものではないですよね。
私なんてまだまだ未熟者なので何も言えたものではありませんが、ゲストと打ち解けるガイドさんは、「人間的にも素敵な方が多い」と同行していて思います。

上記の写真は、モロッコのガイドさんですが、参加者の全員が肩を組んで写真を撮れるくらい、みんなが仲良くなるような雰囲気を作る努力をしていました。

その人の考え方は言葉や態度に必ず出てきます。
我々も日々、心を磨かねばですね！！

今回はこれで以上です。
私の理想のガイド像について軽めに書いてみました。

これからこのシリーズで、私が理想に近づくために心がけていることや、
外国人のガイドをする際のコツなどを書いていきますので、お楽しみに。

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