この記事では、2022年9月8日(木)20:00-21:00で開催された『アサイン担当者から見た「選ばれるガイド」とは Vol.2』のウェビナーの様子をお届けします。
「どうしたら仕事がもらえるか」「アサインしてもらえるガイドはどんな人か?」というのは、
ガイドの皆さんが気になっていることかと思います。
このウェビナーはシリーズとなっており、今後もいろいろな旅行会社の方々をお招きしてお話を伺う予定です。ご自身に合った旅行会社を見つけ、仕事が貰いやすくなるきっかけとなれば幸いです。
第二回目となる今回は、JapanWonderGuideを運営する株式会社ノットワールドの取締役・河野有が登壇し、「選ばれるガイド」について語りました!
ワヲジャパントラベル株式会社共同代表取締役の岩崎陽子さんをお迎えした第一回目は、コチラからお読みいただけます。
登壇者紹介
河野有
株式会社ノットワールド取締役。大学時代は運動会ボクシング部で主将を務める。大学卒業後、株式会社電通にて8年間の在職。退職後、1年間世界一周を経て起業。自社のツアー立ち上げ全般を実施し、ガイド育成・ゲスト満足度への拘りも社内随一。
全国通訳案内士。総合旅行業務取扱管理者。
ファシリテーター:佐々木文人
株式会社ノットワールド代表取締役。大学卒業後、損害保険ジャパン、ボストン・コンサルティング・グループを経て、寿退社後、1年間の世界一周新婚旅行に出発。帰国後、2014年にノットワールドを起業。東京・京都・福島沿岸部を中心に、訪日個人旅行者向けのツアーの企画運営に携わる。
全国通訳案内士。総合旅行業務取扱管理者。
ガイドのアサインの仕方
ーー まずは、基本的なノットワールドのガイドのアサインの流れから話していきましょうか
(コロナの影響で)結構前の話になってしまうので、思い出しながらになってしまいますが(笑)、そもそもまずは契約させていただいて、その方々の中で、アサインさせていただくというのが大きな流れになっていました。
契約させていただく流れをお話すると、まずは研修(座学+ワークショップ)にご参加いただいて、次にゲストとして実際のツアー(3時間程の築地ツアーなど)にご参加いただきます。そこから契約を結んで、マニュアルをお渡しした上で、サブガイドをつけて実際にゲストをご案内する実習を2~3回経て、合格になったら、ガイドデビューとなります。
まずは築地や錦市場などのスポットツアーから始めて、ゲストからの評価によって、プライベートツアーなどをご依頼するようになります。
その後、どうアサインしていくかでいうと、繁忙期と通常期で分けられますね。
繁忙期でいうと、事前に日程をおさえさせてもらっていました。
通常期は、おさえていてもゲストからのオーダーが来ないこともあったので、オーダーが来た時に、1ヵ月~2週間前にお声がけして、ご依頼する形が多かったですね。
ーー あとは、自社のプラットフォーム上で、事前にカレンダーに予定を書いてもらって、空いている日にお声がけしていくことをしていましたね。
コロナ前までは、他社さんのように募集をかけるというよりは、「この人なら信頼できるな」というガイドさん一人一人にお願いしていくことをしていました。
ーー ざっくりしたアサインの流れはこんな感じですが、新人ガイドさんや、新しいガイドさんから問い合わせがきた時に、「このガイドさんいいな」と思うポイントはありますか
メールの文章だけで良い人はにじみ出ていますよね。1,000人ずらーっと並べたとき、少しの文章を読むだけで、「あ、素敵なガイドさんだな」と分かります。
あとは、3つの愛があれば基本的にOKです!3つの愛とは、「ゲストへの愛」「地域への愛」「ガイド業への愛」です。
ーー 資格や肩書があれば仕事をもらえると思っている人も多いですね。「通訳案内士の資格を持ってます」「こんなに研修に参加しました!」「VIPをご案内した実績があります!」って、それでもいいのだろうけど、肩書きよりは、体験やストーリーを語ってくれた方が、僕らは惹かれますね。
アサインする側から見た、NGなガイドとは
ーー 逆に、悪いガイドさんの例はありますか
悪い例は、
- 名乗らない
- ご自身の強みが分からない
- ガイドへの愛が感じられない
ではないでしょうか。
一度だけ、怒ったことがあるのですが、いきなり名乗らずに、「仕事をください。通訳案内士です。」というメールが来て、「それは何をお考えなのですか」という怒りの長文を送らせていただいたことがあります。
ーー それは極端ですが、意外と名乗らないのは電話やメールでも多いです
想像力がなく、相手のことが見えてないのだろうなという行為は、岩崎さんの回でもおっしゃっていましたが、そのままゲストにも同じようなことをしてしまうのでは、と心配になります。
ーー どうしたら改善できると思いますか
メールの仕方で言うと、人に見てもらうのが一番いいのではないでしょうか。
ーー 忖度のない意見を言ってくれる人に頼むといいですね
あとは、就職面接などでも言えますが、僕らは100人、1,000人と見ているということを意識して、他のガイドとの差別化を図ることが大事だと思います。
アサインの優先順位が高い人、低い人
ーー アサインする優先順位が高い人と、低い人の話ができればと思います
アサインする優先度が高い人は、
- ゲストからのレビューが高い人
- レスポンスが速い人
- プロフェッショナルな人
- 難しいゲストでも、何とかしてくれる人/任せられる人
ですかね。
ーー 事務のバックオフィスなどからは、前回の岩崎さんもおっしゃっていましたが、「事務処理能力が高い人」の話が多く出ています。
反対に、優先順位が低い人は、ドタキャンなど「キャンセルが重なる人」です。
体調不良など、仕方ないときもありますし、それは全然いいのですが、他に予定が入ったり、より良い案件があったからこっちをキャンセルしたり、ということが多いと、信頼を失ってしまい、次にアサインしにくくなります。そしてそういった信頼を取り戻すのは、とても難しいですよ。
エージェントと信頼を築くには?
ーー アサインの優先順位が高い人で、「お任せできる人」が挙げられましたが、信頼関係はどう築いていけばいいのでしょう
いろいろな変更があったり、難しいゲストはやっぱりいらっしゃるんですけど、「何とかするので、任せてくださいよ!」と言ってくれるガイドさん、そして本当に任せても大丈夫なガイドさんは、とても助かります。
さらに、予期せぬミスやアクシデントからリカバリーした経験があると、「神様!」と思います。
例えば、僕の場合は大昔、クルーズ船の船着き場所を間違えてしまったことがあって、その時にガイドさんがリカバリーしてくれて、もう一生そのガイドさんに頭が上がらないと思います。
あとは、僕らのミスではないですが、相撲部屋の見学で、親方としっかり打ち合わせして時間を決めていたにも関わらず、ゲストが着いた頃に稽古が終わっていたことも。その時にガイドさんがリカバリーしてくれて、さらに最後はゲストが「最高だった!超楽しかった!」って。すごいなと思いました。
ーー 僕も一度、築地でゲストがケガをして病院に行ったことがあるのですが、ガイドさんが全部対応してくださり、僕が病院に着いた頃にはゲストも落ち着いていて、すごいなあと思いました。アクシデント時にちゃんと対応が出来る方は、何があっても大丈夫だな、と。
ーー エージェントがミスした時は、ある意味チャンスです。ミスをしたときは、怒るのが至極まっとうで、申し訳ないというのはもちろんなのですが、なかなか信頼を蓄積する機会がないので、チャンスと思えるといいかもしれないですね
それってプラス思考で、「怒るのは後でいいや」と切り替えて対応できるということ。それで後で注意してくだされば、ありがたいです。
ーー「エージェントが困っている時に助ける」や、「仕事で価値を出す」といった「信用を蓄積する」というのはひとつのキーワードですね
そして、僕らが一番大事にしているのは、ゲスト満足です。
「ゲストを楽しませているか?」を可視化したものがゲストからの口コミだと思います。レビューをもらうのに引けを感じているガイドさんも多いですが、正直もったいないです!
口コミがないと、いくら良い人でも、事務作業が早くても、ゲストからの評価がなければ誰も評価できません。口コミによって、信用を蓄積するのをゲストが助けてくれるような気がします。
ーー 口コミはゲストも見ていて、口コミを書いたゲストの友人でもない人が、口コミだけを見てガイドの指名が来るときもあるので、口コミを意識するとご自身のブランディングにもなるのではないかと思います。
ーー 反対に、失ってしまった信頼のリカバリーの仕方はありますか
やっぱり、新たなゲストの「最高だったぜ!」の声に限りますね。
ただ、ガイドとゲストを受け入れているホテルなど、両側からヒアリングをするようにしているので、ゲストの声だけで判断することはまず僕らもしないです。やっぱりちょっと特殊なゲストもいらっしゃいますから。
ーー 最初の採用の段階で、素敵だと思うガイドさんしか採用しないので、ゲストからのご意見(クレーム等)があっても、全力でガイドさんをフォローしようという想いはあって、次は依頼しない、ということは今までなかったですね
ヒアリングしても、ゲスト側の問題であることが多かったですし、最初から「このガイドさんでダメだったらアウトだな」と思うくらい信頼しているガイドさんにお願いするので、ご意見があったら事故みたいなものです。
ーー ただ、ガイドさんにお話を伺う時の、ガイドさんの答え方の違いで、ガイドさんの評価は分かれる気がします。
「自分はちゃんとやりました!」という人と、「自分はこう思って、こういう風にやったけど、それがゲストの期待に沿えなかったのかもしれません」という人では、社内の評価が変わると思います。
ガイドデビュー後の仕事のもらい方
ーー ガイドデビューした後、何をしたらいいですか
僕らの築地ツアーは、デビューにはぴったりなのではないでしょうか。
ガイドさんの下積みと言うと、空港からの送迎などがあると思うのですが、それより知見が貯まると思います。
今はまだ新しいガイドさんの募集を再開していないのですが、今後はより早くデビューできるように、質を落とさず採用の効率化をしていきたいと思っています。
ーー 今すぐAirbnbなどで、日本人向けにツアーをやってみればいいと思います。それこそ先ほど話した信用の蓄積で、レビューが貯まればゲスト満足の証になりますし、行動に踏み出せる人はそれだけで他の新人ガイドの中でもひとつ頭が抜けます
フリーツアーでもいいし、結局は場数を踏むことになりますね。
「日本人向けのツアーはちょっと…」とおっしゃるガイドさんも多くいらっしゃいますが、そこは外国人と日本人で区別せずに、積極的にやってほしいです。
まとめ
「選ばれるガイド」になるために、まずは「名乗る」ということ(笑)、そして「信用を蓄積すること」などが挙げられましたが、
ノットワールドが大切にする一番の価値観はゲスト満足です。
これを読んでご興味を持っていただけた方は、ぜひ弊社までご連絡ください!
今後はどんどんガイドの活躍の場をつくりたいと思っています。
ガイドのみなさんあってこそのノットワールドですので、一緒に成長していけたら嬉しいです。
ウェビナー内容は、Youtubeにてフルでご覧いただけます。記事には載せきれなかった部分も多くあるので、フル動画をぜひご覧ください!
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