日本のインバウンドは今年大きな打撃を受けたものの、統計によると2011年から2019年まで9年連続で訪日観光客が増加しています。国境がオープンする兆しが見られ、今後インバウンドが少しずつ回復することが予想できます。 ポストコロナに生まれるインバウンド需要を見逃さないよう、最新の訪日観光客に関するデータからインバウンドのトレンドを見ていきましょう。以下、BonusFinderが発表した「訪日外国人・消費額ランキング」です。
外国人観光客数が最も多いのは?訪日外国人数トップ20
以下のマップは、訪日外国人数が最も多い上位20の都道府県を示しています。東京、大阪、千葉のトップ3、そして4位の京都が他を大きく引き離す結果となっています。
以下にトップ20の都道府県をリストにしました。
1. 東京都(1410万人) 11. 兵庫県(180万人)
2. 大阪府(1153万人) 12. 山梨県(166万人)
3. 千葉県(1048万人) 13. 静岡県(142万人)
4. 京都府(830万人) 14. 大分県(99万人)
5. 奈良県(350万人) 15. 広島県(90.4万人)
6. 愛知県(269万人) 16. 岐阜県(89.6万人)
7. 福岡県(260万人) 17. 長野県(85万人)
8. 北海道(239万人) 18. 石川県(60万人)
9. 神奈川県(234万人) 19. 熊本県(58万人)
10. 沖縄県(183万人) 20. 長崎県(45万人)
3位の千葉県を意外に思う人も多いかと思いますが、成田空港があることを考えると、納得がいきます。5位と6位の愛知県と福岡県は、大都市であることに加えて国際線の出ている空港もあり、海外からのアクセスがしやすいと考えられます。
外国人観光客の消費額の合計が最も多い都道府県は?旅行消費額トップ20
インバウンドについてのデータでは、訪日外国人客数だけでなく、旅行消費額を見ることも非常に重要です。以下のマップは、訪日した観光客が都道府県ごとにどれだけの消費を行ったのかを示しています。
圧倒的なインバウンド数を誇る東京、大阪はやはり消費額でもダントツです!しかし、1位の東京と2位の大阪の差は約2倍となっており、訪日外国人数と比べるとかなり大きなギャップがあることが分かります。消費額3位は、訪日観光客で3位にランクインした千葉ではなく北海道で、4位の京都を上回っています。
以下、訪日外国人の消費額の合計が多い都道府県トップ20をリストにしました。
1.東京都(15388億円) 11.長野県(463億円)
2.大阪府(8468億円) 12.静岡県(442億円)
3.北海道(2888億円) 13.広島県(368億円)
4.京都府(2794億円) 14.山梨県(325億円)
5.福岡県(1833億円) 15.大分県(270億円)
6.沖縄県(1767億円) 16.奈良県(265億円)
7.千葉県(1662億円) 17.岐阜県(262億円)
8.愛知県(1644億円) 18.埼玉県(234億円)
9.神奈川県(1260億円) 19.鹿児島県(197億円)
10.兵庫県(539億円) 20.石川県(195億円)
基本的に外国人観光客数のランキングと似ていますが、いくらか順位の入れ代わりが見られます。
外国人旅行客一人当たりの消費額が最も多いのは?一人当たりの消費額トップ20
最後に訪日外国人の一人当たりの消費額を都道府県別に見てみましょう。観光客数、また消費額合計のデータと比べて、どのようなランキングになっているのでしょうか?
一人当たりの消費額第1位には、東京や大阪を差し置いてなんと北海道がランクイン。観光庁の消費額内訳のデータによると、北海道では特にパッケージツアーの消費額が大きくなっており、また、冬には雪まつりやスキーなどのウィンタースポーツが楽しめます。合計消費額で6位だった沖縄は3位に浮上しています。沖縄では飲食費の消費額が大きくなっているのが特徴で、また、サンゴ礁に囲まれた美しい海でのマリンスポーツやウォーターアクティビティは多くの観光客を魅了しています。
訪日観光客消費単価トップ20の都道府県は以下の通りです。
1.北海道(12.1万円) 11.宮城県(5.45万円)
2.東京都(10.9万円) 12.長野県(5.40万円)
3.沖縄県(9.7万円) 13.神奈川県(5.39万円)
4.埼玉県(7.4万円) 14.群馬県(5.30万円)
5.大阪府(7.3万円) 15.新潟県(5.28万円)
6.福岡県(7.1万円) 16.高知県(4.9万円)
7.鹿児島県(6.3万円) 17.山形県(4.8万円)
8.愛知県(6.1万円) 18.岡山県(4.7万円)
9.香川県(5.6万円) 19.青森県(4.5万円)
10.茨城県(5.48万円) 20.三重県(4.4万円)
外国人観光客一人当たりの消費額では、宮城、新潟、山形、青森などの東北地方、さらには群馬、茨城が上位20位内にランクインするなど、観光客数とのギャップが見られます。
東北には外国人に人気な温泉宿が多く、美しい雪景色が見られることなどと相まって、アジアからの訪日リピーターが最も多いと言われています。茨城や群馬は東京からのアクセスが良く、茨城は平均宿泊数で全国第2位、群馬は草津温泉や伊香保温泉といった有名な温泉が訪日客の間でも大人気となっています。
インバウンドが最も盛んな都道府県まとめ
「外国人観光客に人気な都道府県」と一口に言っても、インバウンド総数や合計消費額、また一人当たりの消費など、色々な側面から考察することができると分かりました。
観光立国を目指す国として、どの地域にとってもインバウンドはますます重要になっています。ポストコロナで再び旅行需要が高まっていく中、新しい時代に合わせたインバウンド対策を行い、訪日客アップに繋げていくことが求められるでしょう。
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