日本の小説を英語で読む!日本人が読みやすい洋書10選

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日本の古典から話題の本まで、日本の小説は度々海外でも話題になっています。
英語で本をあまり読んだことがない人でも、日本語で慣れ親しんでいる内容であれば、英語であってもずっと読みやすくなります。
また、馴染みのある小説でも、英語と日本語では違った雰囲気で読むことができるのも、英訳版を読む楽しさのひとつです。
今回は、英語に翻訳され、海外で話題になっている日本の小説や本を10冊ご紹介していきます。

1. I Am a Cat (吾輩は猫である)

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」
冒頭部分があまりにも有名な夏目漱石の『吾輩は猫である』。教師の家に住んでいる猫「吾輩」の視点から、人間たちの日常を観察し、人間の滑稽さを風刺した長編小説です。
英語で読むと日本語とはまた違う雰囲気で、まるでイギリス紳士のような、皮肉やウィットに富む文章を楽しむことができます。

I Am a Cat by Soseki Natsume, translated by Aiko Ito & Graeme Wilson

2. No Longer Human (人間失格)

言わずと知れた太宰治の中編小説『人間失格』も、英語版が出ています。
日本語で読んだことがあれば、日本語から英語への翻訳の仕方も勉強になります。

No Longer Human by Osamu Dazai, translated by Donald Keene

3. Lonely Castle in the Mirror(かがみの孤城)

辻村深月著『かがみの孤城』は、とあることをきっかけに学校に行けなくなってしまった少女が主人公です。
ある日、部屋の鏡が突然光だし、鏡をくぐり抜けると、そこは城の中。
自分と似たような境遇の7人の子どもたちと出会い、願いを叶えるための鍵を探しはじめる、というストーリーです。
10代向けに書かれているので、英語も比較的読みやすく、洋書初心者にもおすすめです。

Lonely Castle in the Mirror by Mizuki Tsujimura, translated by Philip Gabriel

4. Moshi Moshi(もしもし下北沢)

よしもとばなな著『もしもし下北沢』は、心中に巻き込まれ、父親を亡くした娘と母の再生の物語です。
父親の受け入れがたい死という重いテーマを中心に進んでいきますが、移り住んだ下北沢の街と、そこで暮らす人々の温かさとやさしい日常が丁寧に描かれています。

海外でも、下北沢を訪れたことがある人や、東京での日常に憧れをもっている人に好まれている一冊です。

Moshi Moshi by Banana Yoshimoto, translated by Asa Yoneda

5. The Wind-Up Bird Chronicle(ねじまき鳥クロニクル)

海外で、好きな日本の小説家はいるかと聞くと、村上春樹と答える人はたくさんいます。

そんな海外で大人気の村上春樹著『ねじまき鳥クロニクル』は、無職の主人公と、雑誌社で働く妻が飼っていた猫が突然失踪したことをきっかけに、不思議な物語が展開していきます。
作中、衝撃的な暴力描写もありますので、苦手な方はお気をつけください。

The Wind-Up Bird Chronicle by Haruki Murakami, translated by Jay Rubin

6. Convenience Store Woman(コンビニ人間)

村田沙耶香著『コンビニ人間』の主人公は、36歳、未婚で、大学卒業後コンビニバイトを18年も続けています。
世間のいわゆる「普通」から外れた主人公から、「普通」の生きる道や幸せとは何かを考えさせられる一冊です。
この作品へのレビューが、日本と海外ではかなり違うことも、日本がいかに世間が思う「普通」に縛られているかが分かります。比較的短く、使われる英単語も複雑ではないため、英語で読むことに慣れていない方でも読みやすいですよ。

Convenience Store Woman by Sayaka Murata, translated by Ginny Tapley Takemori

7. Before the Coffee Gets Cold(コーヒーが冷めないうちに)

川口俊和著『コーヒーが冷めないうちに』は、過去に戻ることができるという不思議な喫茶店を訪れた4人のお客さんをめぐる物語です。決められた席で、コーヒーが冷める前に戻ってこなければいけないというルールのもと、それぞれの悲しくも温かい物語が展開していきます。

Before the Coffee Gets Cold by Toshikazu Kawaguchi, translated by Geoffrey Trousselot

8. The Devotion of Suspect X(容疑者Xの献身)

ミステリー作家、東野圭吾の人気小説、『容疑者Xの献身』は、続きが気になる推理小説なので、英語でもテンポよく読み進めることができます。
実写版の映画を観たり、日本語の原書を読んでおくとさらに内容のイメージがしやすく、英語で読みやすくなるでしょう。

The Devotion of Suspect X by Keigo Higashino, translated by Alexander O. Smith

9. In Praise of Shadows(陰翳礼讃)

明治から昭和にかけて活動した文豪、谷崎潤一郎著『陰翳礼讃』は、灯がなかった時代に、光と闇、日本の美意識や感性について書かれた随筆です。通訳案内士(ガイド)の方は、日本人的な美意識や文化について、英語で説明する際の参考になるかもしれません。

In Praise of Shadows by Junichiro Tanizaki, translated by Thomas J. Harper & Edward G. Seidensticker

10. Bullet Train(マリアビートル)

伊坂幸太郎著『マリアビートル』は、ハリウッドで映画化され、2022年夏に公開予定の、海外で今最も話題になっている日本の小説のひとつです。東京駅から盛岡駅まで走る東北新幹線を舞台に繰り広げられる、殺し屋たちのエンターテイメント。英語でもスラスラ楽しく読めます。

Bullet Train by Kotaro Isaka, translated by Sam Malissa

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