通訳案内士/通訳ガイドとしてデビューしようとしていた新人の方たちにとって、まさに今が試練の時ではないでしょうか?そこで、新人さんたちが今、コロナ禍においてすべきことは何か、そもそも通訳案内士/通訳ガイドとはどんな仕事なのかなど、原点に立ち返って考えてみましょう。同じ境遇の仲間が見つかり、前向きに活動をしていけたら嬉しいです。
【ガイドライター】
片岡聡子(かたおか さとこ)
元旅行会社社員。今は諸事情により、旅行業とは関連性のない業界で経理事務として働いています。ガイドとして登録したきっかけは、旅行が好きなことはもちろん、世界に誇れる日本文化を伝えたかったから。
言語は主に英語。他には韓国語を勉強中。
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東京オリンピックが追い風になるもコロナで一変
2013年9月7日、2020年のオリンピック開催地が東京に決まりました。
オリンピックの効果は絶大で、日本が世界から注目されることとなり、訪日外国人旅行客が一気に増えました。そのため通訳ガイドの需要も高まり、2018年1月4日から法改正によって全国通訳案内士資格がなくても有償による案内ができるようになりました。通訳ガイドとして活躍できるチャンスが増え、旅行業界もオリンピックに向けて盛り上がりを見せていました。
しかし、その矢先。2020年12月以降に蔓延し始めたコロナウイルスが猛威を振るい、3月には世界各地で緊急事態宣言が出され、各国で入国やビザ発給の制限を行っています。現在、旅行業界はかつてないほどの苦境に立たされています。
なぜガイドを目指そうと思ったか
ガイドを目指すきっかけは、モチベーションを保つ上でかなり重要なことです。私の場合、かつて旅行会社に勤務していたこと、英語を生かす仕事がしたかったこと、日本の「わびさび」文化をはじめ、漫画、アニメ、食文化には独特なものがあり、それを伝える役割の担い手になりたいと思ったのでガイドを目指し始めました。
同時に
・日本に旅行に来る外国人観光客が増えた
・法改正で資格がなくてもガイド業ができるようになった
この2点がとても大きかったです。
通訳案内士/通訳ガイドに求められていることとは
次に通訳案内士/通訳ガイドに求められることについて考えます。
通訳案内士/通訳ガイドとして仕事をするにあたり、重要視されうるのは外国語と日本史の知識。もちろん、難関資格をクリアするためには点数を意識した勉強が必要です。しかしながら、語学力があり、歴史に精通しているだけでお客様を満足させられるのでしょうか。それは少し違います。
頭に「通訳」と付いているせいか、案内をする上で外国語に対して身構えがちです。しかし、「通訳ガイド」の仕事は「会議通訳」とは違うため、技巧に凝った表現を使うことはそれほど重要ではありません。
通訳案内士/通訳ガイドの大きな役割は、日本に興味を持っている海外の方に観光を通じて日本文化を知ってもらうことです。そのためには、コミュニケーションをうまく取り、お客様が何を求めているかを素早く理解し、このツアーに参加してよかったと思ってもらえることを意識した方が、良い通訳案内士/通訳ガイドになれます。語学力と日本史の知識は重要とした上で、普段からインターネットやテレビ、Youtubeなどのメディアで、訪日外国人観光客が知りたいと思う情報にアンテナを張ることも大切です。
私たち新人ガイドが今できること
入国条件が少しずつ緩和されてはいるものの、海外からのお客様は数ヶ国のビジネス目的に限られており、本当に厳しい状態が続いています。そんな中でも、今私たち新人ガイドにできることはあります。
有名神社仏閣の英語サイトを読む
寺社仏閣をどうやって英語で説明するかを振り返るには最適な教材です。下記URLのように、サイト内で日本語サイトを英語表記に変更することができます。
オンライン研修に参加する
現場に出ていないと忘れがちになってしまいますが、オンライン研修を利用することによって、通訳案内士/通訳ガイドとして仕事をしていくために必要な要素が学べます。
各社のオンラインツアーに参加する
こちらはモチベーションの維持、どんなツアーを作っていったら良いかを考えるものとして、また気晴らしに参加してみると良いです。
日本が大好きなYoutuberの動画を観てみる
外国人が日本のどんなことに興味を持っているのかがよく分かって面白い上に、リスニングの練習にもなるため一石二鳥です。
▼おすすめのYoutube動画はこちら
これからデビューと考えていた新人ガイドにとって、このままこの業界を目指していいのだろうかと不安でいっぱいですよね。音楽、芸術、スポーツ、旅行などの娯楽がない生活は、味気なく、生きる原動力がない生活に繋がります。インバウンド旅行業界に再び活気が戻ってくると信じてお互いにこの困難を乗り切りましょう。
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