ホテル業界で働いてみたいけど、お客さまに対してどのように接すると喜ばれるのか知りたい。
ホテルで働く心構えがあれば知っておきたい。
このように感じていませんか。
私もホテルで働く前は同じように感じており、自分に何ができるのだろうかと考えていました。しかし働いてみて分かったことは、ホスピタリティが何よりも重要だということでした。
この記事を読めばホスピタリティの重要性やホテルスタッフの役割がわかりますので、ぜひ読み進めてください。
【この記事を書いているのは…】
石井 政章(いしい まさあき)
元ホテルマンです。リゾートホテル、シティホテルで主にフロントスタッフとして働いていました。
ホテルで働こうと思ったきっかけは、海外が好きで英語を活かしたいのと人を喜ばせたいという想いがあったからです。
現在は退職しWebライターとして活動しています。
ホスピタリティとは何か
一言でいえばホスピタリティとは「心からのおもてなし」のことをいいます。
ホスピタリティとサービスの違い
ホスピタリティとサービスの違いはご存知でしょうか?
よく似ている言葉ですが、意味は違います。
サービスとは、マニュアル通りの行動をすることです。
例えば、レストランでは料理や飲み物を提供します。
この対応は「サービス」です。
一方で、お客様に快適に過ごしてもらうよう配慮するのがホスピタリティです。
食事中に寒くなったらお客様に膝掛けを用意したり、家族で食事をしたあとに写真を撮ったりするなどです。
サービスとホスピタリティの違いがわかりましたでしょうか。
次に、ホテルで働く心得をご紹介していきます。
ホテルで働く6つの心得
ホテルで働くうえで、お客様に好印象を与えて快適に過ごしてもらうことが重要です。
ホテルマンに求められる6つの心得をご紹介します。
1.身だしなみ
身だしなみとはホテルに相応しい髪型や髪の色、正しいユニフォームの着用です。
ホテルスタッフは清潔感が第一なので、みっともないとお客様に思われてはなりません。
身だしなみの作法は男性と女性で違いがあるので、分けて見ていきましょう。
男性
男性の髪型は短髪で耳にかからないほどの長さが良いでしょう。
ワックスを付けてオールバッグにするか、七三分けにして清潔感を保ちます。
ユニフォームは正しく着用することが大事です。
特にボタンのほつれや、ネクタイが曲がっていないか細かくチェックすることが大切です。
女性
髪型はシニヨンと言われる、通称「お団子ヘア」がベストです。
なぜならホテルの仕事は動き回ることが多く、結んだだけだとすぐほどけてしまうからです。髪の色は、黒か濃いブラウンなら問題ないホテルが多いです。
2.表情
表情はお客様の印象を大きく左右します。ホテルマンは待機している時間が長い時もありますが、明るい表情をキープすることが大切です。口角を上げるだけでも明るい表情になります。
3.姿勢
背中をまっすぐ伸ばすことを意識しましょう。猫背になっていると暗い印象を持たれてしまいます。目線を下に落とさず正面を向くようにすると良い姿勢をキープできます。
4.立ち振る舞い
お客様が通りかかったら必ず作業の手を止めてご挨拶しましょう。
ご挨拶の仕方もポイントが2つあります。
- 笑顔でお客様の目を見るようにする
- すれ違い様でも立ち止まって挨拶し、その後にお辞儀をする。
この2つを実践すると好印象を与えられること間違いなしです。
5.言葉遣い
言葉遣いもホテルマンは非常に重要です。
まずは接客8大用語とクッション言葉を覚えましょう。
- いらっしゃいませ
- はい、かしこまりました
- 少々お待ちくださいませ
- お待たせいたしました
- ありがとうございます
- 恐れ入ります
- 申し訳ございません
- ありがとうございました、またお越しくださいませ
この8つは必ず言えるようにしましょう。
次にクッション言葉です。
- 恐れ入りますが
- お手数をおかけしますが
- あいにくですが
- せっかくですが
- 大変申し上げにくいのですが
などの言葉を添えるだけで、お客様の印象もガラッと変わります。
6.体調管理
ホテルスタッフは動き回ることも多く、重たいお荷物を持つこともあります。
また日勤や夜勤など生活リズムが不規則になりがちなので、体力が必要です。
そこで重要なのが、体調管理です。
体調管理に気を配れば、高いパフォーマンスを発揮することができます。
お客様に良い接客ができるようになるでしょう。
ホテルスタッフの役割
ここではホテルスタッフのそれぞれの部門について解説していきます。
ベル
ベルはお客様と一番最初に顔を合わせるスタッフのことです。
なので、いかに明るい表情でお客様と接することができるかが重要です。
到着したお客様が宿泊なのか、食事のみかを確認して館内をご案内します。
他のスタッフとの連携が欠かせないポジションです。
フロント
フロントはホテルの要といえるでしょう。チェックイン、レストランの空き状況、周辺観光の案内、電話対応など業務が幅広いのが特徴です。
中にはクレーム対応などもありますので、状況に合わせて応用できる接客術が求められます。男性は夜勤もあり、夕方から翌朝まで勤務ということも珍しくありません。
客室(ハウスキーピング)
客室スタッフはお部屋の清掃がメインになります。
お客様の満足度はお部屋の清潔度に比例するので、隅々まで行き届いた清掃が求められるポジションです。
時にお客様はお部屋に忘れ物をしますので、管理することも大切です。
また記念日のお客様のお部屋に花束を入れたりメッセージを書いたりすることもあります。
レストラン
レストランスタッフは主に料理を提供するポジションになります。
ですが、料理の提供だけではありません。
足の悪いお客様を入り口付近のお席にご案内したり、誕生日のお客様に1品プレゼントしたりするなどのホスピタリティも必要です。
何度も足を運んでいただいているお客様の好みを把握することも、レストランスタッフのホスピタリティの見せ所です。
バーデンダー
くつろぎの空間や、スタッフとより会話を楽しみたいお客様はバーに行きます。
バーの中では、お酒を飲みながら歌を歌ったり、他のお客様とお話しされたりします。
バーテンダーは、よりお客様に楽しんでもらうための環境作りが大きな仕事と言えます。
お客様がホスピタリティを感じた事例
ここではお客様がおもてなしを感じた事例をご紹介します。
- 前回宿泊した部屋が気に入ったので、次も同じ部屋をご用意したら喜ばれた。
- 予約の電話で「◯◯様いつもご利用ありがとうございます」と伝えたら、覚えていてくれて嬉しかったと言ってもらえた。
- 当日混雑しており、駐車場に1台しか空きがなく、ベルボーイが駐車場を確保しに行った。幼児もいたので荷物が多く助かったと言ってもらえた。
- ベルボーイがタクシーで来館したお客様に、財布を車内に忘れて行ったのでお声がけしたらとても感謝された。
- 宿泊履歴から、いつもご宿泊されるお客様が誕生日だと知り、ケーキをサプライズでプレゼントし大変喜ばれた。
- お子様の誕生日をレストランスタッフ全員でHappy Birthdayを歌って祝福し、お菓子をプレゼントした。初めて宿泊したお客様だったが、フロントスタッフの配慮でレストランの責任者に連動し、サプライズが成功した事例。お客様も感動しリピーターになった。
まとめ
今回はホテルで働く心得、担当者の役割や実際にあったホスピタリティの事例をご紹介しました。ここでまとめです。
ホテルで働くのに重要なのはホスピタリティであり、お客様を不快にさせないために重要なのが6つの心得です。
- 身だしなみ
- 立ち居振る舞い
- 言葉遣い
- 表情
- 姿勢
- 体調管理
全てはお客様に、ゆったり快適に過ごしていただくために必要です。これを実践すればお客様からは良いホテルだと好印象を持ってもらえるでしょう。
この記事が、ホテルで働きたいと考えている方への参考になれば幸いです。
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