英語で「着物」はどうやって説明する?

英語で日本文化を説明する

「ない袖はふれぬ」「はしょる」「人の振り見て我が振りなおせ」「えりを正す」…。これらの表現に共通するものは何でしょう?着物ですね。

明治時代に西洋文化が取り入れられるまで、日本人が日常で着ていた日本の伝統的衣服である着物。京都の西陣織や友禅染め、石川の加賀友禅といった、日本の工芸技術が発展したのは着物のおかげだとも言えます。

普段着として着物を着る人は少なくなりましたが、冠婚葬祭など大切な節目の際に選ぶ方も多いのではないでしょうか。私達にとって特別かつ大切な文化「着物」の魅力を英語で伝えていきましょう。

英語での記事はこちら:

Traditional Japanese Clothing and Accessories
Kimono are the most well-known traditional Japanese clothing...

この記事を書いているのは…】
ひだみき
テーブル茶道講師/通訳案内士
通訳案内士に合格するまで5年もかかったことで、すっかり日本が大好きになった宇治人。正座が苦手なことからテーブルで行える茶道を選び、現在は指導する側に。魅力たっぷりな「茶道」という日本の心を伝えたいと、日本語と英語で活動している。
Instagram:https://www.instagram.com/japan_guide_miki

「着物」は英語でどう説明する?

Kimono is a traditional Japanese cloth that means a “thing to wear” in Japanese.

(着物は「着るもの」という言葉を語源としている、日本の伝統衣装です。)

Until the Meiji era, when western culture came in, Japanese people wore kimonos, both daily and special clothes.

(明治時代に西洋の文化が入ってくるまで、日本人は普段着もよそいきも着物でした。)

Today’s kimonos are mainly worn for formal occasions such as weddings and funerals and traditional events such as Sado (Japanese tea ceremony).

(現代では着物は主に結婚式や葬式などのフォーマルな機会と、茶道などの伝統的な行事などの際に着用されるだけです。)

○ 日本人は着物を着て日常を過ごしている、と今も信じている人もいるので、少し歴史をお伝えするといいでしょう。

着物の種類

着物にはたくさんの種類がありますが、特に私は女性用の着物である「振袖」と「留袖」の違いを説明するようにしています。

In general, there are two types of kimonos for women. Furisode and tomesode.

(女性用の着物には主に2種類の着物があります。振袖と留袖です)

A kimono with long sleeves and gorgeous patterns are called a furisode. This is the most prestigious kimono for unmarried women. There are three types of furisode according to the length of the sleeves.

(袖が長く華やかな柄のある着物のことを振袖といいます。これは未婚女性が着る着物の中で最も格式が高いものです。袖の長さ別に三種類に分類されます。)

○ 江戸時代、袖を振ることは求愛を意味し、袖をふりかえすことでOKしたそうです。振袖が未婚女性限定なのは、こういった背景からだったんですね!

Tomesode has shorter sleeves than furisode and is for married women. The black tomesode is the most prestigious of all kimonos and is only to accept worn by the mother of the bride or groom or other close relatives.

(留袖は振袖より短い着物のことで、基本的に既婚女性が着る着物のことを指します。中でも黒留袖は最も格式が高い着物で、新郎新婦の母など、ごく近親者が着用します。)

季節の着物を英語で説明する

○ 夏といえば浴衣、卒業式シーズンの春といえば袴ですね。

The yukata is a casual kimono made from cotton.

 (浴衣は綿のカジュアルな着物です)

People used to wear the yukata as pajamas.

 (浴衣はかつて、寝間着として着られていました)

Nowadays, most people wear yukata for summer festivals and fireworks. 

(今では、ほとんどの人たちが夏まつりや花火大会に浴衣を着ていきます)

The hakama is a skirt-like pant worn with a kimono.

(袴は着物の上に履くスカートのようなズボンのことです。)

Today, hakama are commonly worn for graduation ceremonies and as formal attire for some martial arts.

(現代では、袴は卒業式や一部の武道の正装として着ることが一般的です。)

着物のコートを英語で説明する

A haori is an overcoat worn on top of a kimono.

(羽織は着物の一番上に着るコートのことです。)

A hanten is a short winter coat with cotton padding for warmth.

 (半纏は綿をつめてあたたかく着れるようにした短い冬用のコートです)

During the Edo period, wearing haori was restricted to certain social classes, while hanten was available to all.

(江戸時代、羽織を着るのは特定の社会階級に限定されていましたが、半纏はすべての人が利用できました。)

A happi is also a short coat but much more casual than the haori or hanten. 

(法被もまた短いコートですが、羽織や半纏よりもかなりカジュアルです)

「ふんどし」を英語でいうと

The fundoshi is a traditional Japanese male undergarment made from a length of cotton.

 (ふんどしは、一枚の綿で出来ている、とても伝統的な男性の肌着です)

Until WWII, a fundoshi used to be underwear among men in Japan. 

(第二次世界大戦前まで、ふんどしは日本の男性の下着でした)

Nowadays, Sumo wrestlers also wear a type of fundoshi called mawashi.

 (最近では相撲の力士がまわしという種類のふんどしをつけています)

「作務衣」「甚平」を英語でいうと

Samue and jinbei are traditional relaxing clothes made from cotton or hemp and are typically dyed with a solid blue color.

(作務衣と甚平は、綿や麻でつくられたリラックスできる伝統的な服装です。基本的に無地で、藍色や青や緑色に染められています)

Samue can be worn regardless of the season, and the pants are ankle-length.

(作務衣は季節関係なく着ることができて、ズボンの丈が足首まであります。)

A jinbei is a summer garment characterized by short, knee-length pants.

(甚平は夏に着る服で、ズボンが膝丈で短いのが特徴です)

○作務衣はもともとお坊さんの作業着で、甚平は日常使いで街の人達が着るものだったそうです!

まとめ

着物をはじめとした、日本の伝統的な衣服の数々について、ご紹介しました。それぞれの用途が季節感や歴史と繋がっていて、大変興味深かったですね。私もまずは着物をひとりでスムーズに着れるように精進します!日本の伝統衣装、愛していきましょう!

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