通訳ガイドをはじめる際に押さえておきたい6つの法律

通訳ガイドスキルアップ

平成30年1月4日施行の通訳案内士法の改正により、全国通訳案内士の資格の有無にかかわらず、報酬を得て、外国語で日本を案内することが出来るようになりました

誰でもできるようにはなりましたが、ガイドを行う上で押さえておかなくてはいけない法律がいくつかあるので、ここでは代表的なものをご紹介します

法律の多くは、市場の健全性、消費者の安全や利便性の向上等を目的として定められています
趣旨を理解したうえでガイドを行うことで、より質の高いサービスを提供していくことが出来ます

通訳案内士法

まず、頭に置いておいた方がよいのは、通訳案内士法です

平成30年1月4日の改正により、業務独占が撤廃され、誰でも通訳案内業務につくことが出来るようになりました

ただし、注意しなくてはならないのは、その際に「名称独占」に変更となったという点です

「『通訳案内士』は、有資格者しか名乗れない」というのが名称独占ですが、気を付けなくてはならないのが、類似する名称についても名乗ってはいけないとその時に整理がされました

出典:観光庁 https://www.mlit.go.jp/common/001216382.pdf

「通訳ガイド」「東京ガイド」がダメなんだ、、、というあたりは注意が必要です
(本投稿のタイトルは、無資格者に読んでいただくことも念頭にあえて「通訳ガイド」と表記してます)

ちなみに、英語での表記に関して、観光庁に問い合わせた際には、ケースバイケースだが「Interpreter guide」はNG、「English speaking guide」はOKとのことでした

また、通訳案内士法の中で「全国通訳案内士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」と規定されており、誠実な行動が求められています

旅行業法

通訳案内士法以上に、業務に密接にかかわってくるため押さえておくべき法律が旅行業法です

特に、「交通と宿泊の手配」や「旅行に関する相談に応ずる行為」を報酬を得て行う場合、旅行業の登録が必要になります

今後、Airbnb experienceの普及で、個人でツアーを造成しゲストを案内することも増えてくるかと思いますが、その際に、「交通の手配」をツアーに含めてはいけない、ということになります

なので、電車やバスは現地でゲストに払ってもらうよう(=ホストが手配をしていない)にツアーを組んでいる方もいます

旅行業は、旅行業務取扱管理者の設置や保証金の供託等が必要なため、個人ではハードルが高いのも現状です

また、旅程管理業務に関しても、旅行業法で定められています

団体のバス旅行を担当することになる際に、旅程管理主任者の資格が必要になってくるのは旅行業法で定められているためです

道路運送法

続いて、特に公共交通機関が充実していないエリアでガイドする際に、頭に置いておく必要がある法律は道路運送法です

自家用車で有償の運送を行うことは原則禁止されています

つまり、ガイドをする際に、自分の車にゲストを乗せてガイドをすることはできません

公共交通機関が充実していないエリアでは、どうしても公共交通機関だと思うように目的地を巡れない上に、時間の制約が生じてしまいます

そのため、「自分の車にちょっとぐらい乗せても大丈夫だろう」「ガイド代としてお金を貰っていて、車の運転は無償だったら、有償旅客運送にならないから問題ないんじゃないか」と思いたくもなりますが、どのような場合であっても違法行為であるという解釈が国土交通省によりなされています

参照:「通訳案内士による自家用車を用いた通訳案内行為について」(国土交通省:平成29年)

地方部でのガイドツアーの活性化を考えると、緩和が期待される分野です

また、道路運送法では、バスのコンプライアンス事項についても定められています

近年の重大事故の発生等を受け、法整備が進んでいることもあるため、バスに添乗する可能性がある方は、運転時間や休息時間の取り決めや交代運転手の確保等に関して、理解しておく必要があります

著作権法

ガイドを行っていく上で、補助資料等を用いて説明したいシーンも出てくるかと思います

そうした際に、注意しなくてはならないのが、著作権法です

著作権法の中で、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定められており、多くのものが該当してきます

一定の条件を満たせば、著作者の了解を得ずとも無断利用できる場合がありますが、他社の著作物を利用する際には、基本的な知識・ルールを学んだうえで、しかるべき利用手順に従う必要があります

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不当景品類及び不当表示防止法

ゲストに説明をする際に注意をする必要があるのが、一つは不当景品類及び不当表示防止法、いわゆる景表法です

「景品」や「表示」という言葉からして、ガイドは関係ないようにも思いますが、「表示」は、「口頭説明による場合」も含みます

そのため、ガイドが説明する際にも注意が必要になってきます

具体的には、広告に関する禁止事項が3点定められています

  • 優良誤認表示
  • 有利誤認表示
  • その他誤認される恐れのある表示

神戸牛じゃないものをKobe beefと伝える場合は優良誤認表示となります
また、常に500円で売っているものを、「今だけ500円だよ」と伝えるのが有利誤認表示に該当します

誠実に対応していれば問題ないですが、頭に置いておきましょう

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

景表法と同様に注意する必要があるものに、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、いわゆる薬機法があります

薬機法においても「広告」は口頭によるものも含むため、通訳ガイドを行う際に注意が必要です

大事なものについては頭に置いておきましょう

  • 誇大広告の禁止
  • 効能効果等又は安全性を保障する表現の禁止
  • 医薬品等の過量消費又は乱用助長を促すおそれのある広告の禁止
  • 他社製品のひぼう広告の制限
  • 医薬関係者等の推せん表現の禁止
  • 承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止

基本的なコンプライアンス事項を押さえておくことは、ガイドが安心して業務にあたる上でも重要ですし、ゲストが安心して日本を楽しむためにも大事になってきます

是非押さえておきましょう

参考文献:観光庁研修テキスト

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