ガイド/通訳案内士の方は、ツアーでゲストをご案内する間、スポットはもちろん、日本の文化や建築、伝統などを説明するとき、江戸時代の説明をする機会が意外と多くありませんか?
江戸は東京の旧称でもあり、そこが外国人にとっては少し分かりにくいポイントになっているようです。ゲストに説明するとき、どう言ったら上手く伝わるのか事前に考えておきましょう。
また、簡単な英語で出来る説明の仕方を紹介しますので、通訳案内士やガイドの方はもちろん、海外から旅行に訪れた友人を案内したいという方も、ぜひ参考にしてみてください。
「江戸」を英語で説明

江戸は、東京のかつての名前であると同時に、約400年ほど前の時代、1603年から1868年を指します。
徳川将軍家が日本を統治していた時代ですね。
江戸について地理的なことをはじめ深く説明すると長くなってしまうし、初めて「江戸」という名前を知った外国人観光客に説明するには複雑なので、たとえ江戸の知識をたくさん持っていたとしても、すべて説明しようとせず、まずは簡潔に説明しましょう。
※「幕府=shogunate」で伝わるかと思いますが、分かりにくいようでしたら「military goverment」と説明します。また、ここでは将軍のことを「shogun」と言っていますが、伝わらなかったら「general」 というと分かりやすいでしょう。
「江戸幕府」を英語で説明

今度は、江戸幕府(または徳川幕府)について説明したい場合の、例文です。
江戸幕府は関ケ原の戦い後、徳川家康が征夷大将軍に任官し幕府が開かれ、約260年以上続きました。
徳川幕府は、江戸城を居城とし、拡張工事が何度か行われたため、日本最大面積の城郭でした。
その江戸城、現在はどこにあるかご存知ですか?
…そう、皇居です!江戸城の中心だった本丸、二の丸、三の丸の一部が、皇居東御苑として開放されています。
「江戸文化」を英語で説明

江戸文化のキーワードというと、「鎖国」「元禄文化」「化政文化」でしょうか。
江戸時代は、鎖国をしていたため、戦争のない平和な時代が長く続き、日本独自の文化、そして庶民の文化が発展しました。
京都・大阪の上方を中心とする元禄文化は町人の文化で、俳諧や歌舞伎など、外国人にもよく知られている日本の伝統が生まれたのもこの頃です。
化政文化は、江戸の庶民を中心とし、浮世絵や滑稽本、川柳など、日常の生活を風刺するものが流行し、また、国学や蘭学が大成した時期でもあります。
おまけ:江戸を体験できる場所
最後に、東京周辺で江戸の雰囲気を楽しめる場所をご紹介します。
川越
「小江戸(Little Edo)」として知られている埼玉の川越は、江戸情緒を残す趣のある街並みを楽しめます。中でも蔵造りの商家が並ぶ一番街は、近年多くの外国人観光客が訪れる人気観光スポットになっています。

江戸東京博物館
両国にある江戸東京博物館(Edo-Tokyo Museum)では、江戸時代から現在の東京の、歴史や文化の変遷を学ぶことができます。
当時の人々の生活や街の様子を再現した模型や、実際に使われていた実物資料など、見所がたくさん。実物大に再現された日本橋を渡って、江戸時代にタイムスリップしましょう!

江戸ワンダーランド 日光江戸村
日光の江戸ワンダーランド(Edo Wonderland)では、江戸時代をリアルに体験できます。
街道、宿場町、商家街、武家屋敷、忍者の里の5つのエリアに分かれていて、園内を歩いていくと、ちょんまげ姿の侍が歩いていたり、屋根には忍者がいたりと、時代劇のセットに入り込んだかのような、本格的な江戸の世界を楽しめます。

江戸をもっと知りたい方へ
江戸時代をもっと詳しく知りたい、そして誰かに自慢したくなる話のネタがほしいという方は、ぜひ以下にご紹介する動画学習や、オンライン研修にご参加ください!
いつでも視聴可能な動画学習
江戸のまちの歴史―東京と和食のルーツにズームイン!
今の東京の起源である江戸のまちがどのように発展し、また今に続く和食の味がどのように確立したかについて、古地図や浮世絵を見ながら学んでいきます。
トリビア満載で、東京案内をより興味深くするためのヒントがたっぷり詰まっていますよ。

スポット研修―日本橋編
江戸の商業と文化の中心地であった日本橋の、隠れた魅力をお伝えします。
かつて舟運を通じて全国の物資が集まり、栄えていた日本橋の昔と今を知れば、伝統と革新の融合するこのまちを、歩いてみたくなること間違いなし!

通訳案内士/通訳ガイドって?
海外から来たゲストを日本国内で案内するのが、通訳案内士/ガイドのお仕事です。
JapanWonderGuideは、「日本のガイドの質を世界一に!」をスローガン掲げる通訳ガイドのコミュニティです。
スキルの高いガイドを育成し、ゲストと地域が共に満足できる観光を目指しています。
コメント
記事読みました。国内の歴史を海外の方に、英語を始め、外国語で伝えるのは、いろいろと考えなければならない、と思いました。